墓じまいの基礎・進め方

墓じまいの流れを8ステップで解説|何から始める?手続きの順番もわかる

2026年9月17日

墓じまいの流れ

墓じまいの流れを8ステップで解説|何から始める?手続きの順番もわかる

墓じまいを考え始めたものの、「何から始めればいいの?」「役所とお寺、石材店のどこへ先に連絡するの?」と、進める順番で迷う方は少なくありません。

墓じまいは、いきなり墓石を撤去したり、役所へ改葬許可を申請したりするところから始めるものではありません。まずは現在のお墓の状況を確認し、家族・親族と今後の供養について話し合ったうえで、墓地管理者や新しい供養先などへ確認しながら進めるのが基本です。

大切なのは、「墓石をなくすこと」だけではなく、現在のお墓から遺骨をどこへ移し、今後どのように供養するのかまで考えることです。

この記事では、墓じまいを検討し始めてから新しい供養先へ遺骨を納めるまでの一般的な流れを8ステップに分けて説明します。

なお、墓地の種類、寺院との関係、自治体の手続き、新しい供養方法、家族の状況などによって、一部の工程が前後したり並行して進んだりすることがあります。以下は全国一律に決められた8工程ではなく、全体像を理解するための一般的な流れとしてご覧ください。

墓じまいは何から始める?まず確認したいこと

墓じまいを考え始めたら、すぐに業者へ撤去を依頼するのではなく、まず現在のお墓について分かる範囲で情報を整理しておくと、その後の相談が進めやすくなります。すべてを自分で調べ切る必要はありません。分からないことは墓地管理者などへ確認しながら進められます。

  • 現在のお墓がある場所・所在地
  • 寺院墓地、公営霊園、民営霊園など墓地の種類
  • 墓地の使用者・名義人
  • 現在の墓地管理者
  • お墓に納められている遺骨
  • 墓地使用許可証など手元にある書類

特に確認しておきたいのが「誰が墓地を管理しているのか」です。寺院墓地であれば寺院が管理者となっている場合がありますが、公営霊園なら自治体や管理事務所、民営霊園なら管理会社や管理事務所などが窓口になることがあります。

また、古くから続くお墓では、「何人分の遺骨が納められているのか分からない」「墓地の使用許可証が見つからない」といったことも考えられます。その場合も、最初からすべて分かっていなければ墓じまいを始められないわけではありません。まず手元にある情報を整理し、必要なことを管理者へ確認していきましょう。

墓じまいの一般的な流れは8ステップ

墓じまいを検討してから新しい供養先へ遺骨を納めるまで

墓じまいでは、家族との話し合い、現在の墓地への確認、遺骨の新しい行き先、行政手続き、墓石撤去など、複数の作業が関係します。先に全体の流れを把握しておくと、「次に誰へ相談すればよいのか」が分かりやすくなります。

ステップ 主な内容
Step1 家族・親族と墓じまいについて話し合う
Step2 現在の墓地管理者へ相談する
Step3 遺骨の新しい行き先・供養方法を決める
Step4 墓石撤去の方法を確認し、見積もりを取る
Step5 改葬に必要な書類を確認し、改葬許可を申請する
Step6 必要に応じて供養を行い、遺骨を取り出す
Step7 墓石を撤去・整地し、墓地を返還する
Step8 新しい供養先へ遺骨を納める

この8ステップは、一つずつ完全に終えてから次へ進むとは限りません。たとえば新しい供養先を探しながら石材店へ見積もりを依頼するなど、複数の作業を並行して進める場合もあります。

Step1 家族・親族と墓じまいについて話し合う

最初に行いたいのが、家族や関係する親族との話し合いです。現在のお墓をどうするかだけでなく、墓じまい後に遺骨をどのように供養するのかについても共有しておきます。

墓じまいを考える理由は家庭によってさまざまです。お墓が遠方にあって管理が難しい、将来お墓を継ぐ人がいない、管理の負担を減らしたいなど、それぞれ事情があります。まず「なぜ墓じまいを考えているのか」を共有すると、今後の供養方法について話し合いやすくなります。

ここで注意したいのは、「親族全員の同意」が全国共通の改葬許可要件として法律で一律に定められているわけではないという点です。一方で、墓じまい後に親族間で意見が食い違うことを避けるためにも、関係する人には早い段階で説明しておくことをおすすめします。

また、改葬許可を申請する人と墓地使用者が異なる場合には、墓地使用者の承諾書などが必要になるケースがあります。誰が墓地の使用者になっているのかも、この段階で確認しておくとよいでしょう。

Step2 現在の墓地管理者へ相談する

3種類の相談先

家族でおおまかな方針を共有したら、現在のお墓を管理している墓地管理者へ墓じまいを検討していることを相談します。「まずお寺へ連絡する」と一律に考えるのではなく、現在のお墓の管理者が誰なのかを確認することがポイントです。

  • 寺院墓地:寺院が管理者である場合は寺院へ確認する
  • 公営霊園:自治体や霊園の管理事務所などへ確認する
  • 民営霊園:管理会社や霊園の管理事務所などへ確認する

ここでは、墓地を返還するときの手続き、墓石工事のルール、必要な届出、遺骨を取り出す際の手順などを確認します。墓地によっては、工事を行う石材店について決まりがあったり、事前に工事申請が必要だったりする可能性があります。

寺院墓地の場合は、墓地の返還だけでなく、今後の供養や寺院との関係について話し合うこともあります。寺院ごとに事情や慣習は異なるため、「必ずこの手続きが必要」「必ずこの費用が発生する」と一般化せず、まず現在の寺院へ確認しましょう。

墓石の撤去業者を決める前に、現在の墓地でどのような工事ルールがあるのかを確認することが重要です。

Step3 遺骨の新しい行き先・供養方法を決める

次に、お墓から取り出した遺骨を今後どこで供養するのかを考えます。墓じまいは現在のお墓を撤去して終わりではありません。遺骨の行き先まで決めて、はじめて全体の計画が見えてきます。

複数の供養先

新しい供養先としては、たとえば次のような選択肢があります。

  • 別の一般墓へ移す
  • 永代供養墓へ納める
  • 納骨堂へ納める
  • 樹木葬の墓地へ移す

現在の墓地や納骨堂から別の墳墓・納骨堂へ遺骨を移す場合は「改葬」に該当します。改葬許可の申請では「改葬の場所」を記載するため、行政手続きを進める前に新しい供養先を決めておくことが重要です。

自治体の案内でも、改葬手続きの最初に新しく遺骨を納める墓地等を決める流れが示されている例があります。新しい供養先が決まったら、納骨時に必要な書類や手続きについても管理者へ確認しておきましょう。

一方、散骨や手元供養などを検討している場合は、他の墓地や納骨堂へ遺骨を移す通常の改葬とは行政上の扱いが同じとは限りません。現在のお墓がある自治体や墓地管理者、新しい供養方法を提供する事業者などへ個別に確認してください。

Step4 墓石撤去の方法を確認し、見積もりを取る

現在の墓地の工事ルールを確認したら、墓石の撤去や区画の整地について石材店や墓じまい業者などへ相談し、必要に応じて見積もりを取ります。

見積もりでは、単に総額を見るだけでなく、どこまでの作業が含まれているのかを確認することが大切です。墓石の解体・撤去、運搬、処分、基礎部分の撤去、整地など、必要となる作業は墓地の状態や返還条件によって異なります。

  • どこまで撤去する必要があるのか
  • 区画をどの状態まで戻す必要があるのか
  • 墓地指定の石材店や工事条件があるか
  • 見積もりに含まれている作業範囲はどこまでか
  • 追加費用が発生する可能性がある条件は何か

この段階で必ず業者と契約しなければならないわけではありません。新しい供養先や行政手続き、墓地側との調整状況を確認しながら、工事時期を決めることになります。

複数の業者へ見積もりを依頼する場合も、金額だけでなく作業内容や墓地のルールへの対応などを確認して比較すると判断しやすくなります。

■【内部リンク挿入:3015】墓じまいの見積もりに関する記事へ誘導予定。公開後にURL・記事IDを設定。

■【内部リンク挿入:3048】墓じまい業者の選び方に関する記事へ誘導予定。公開後にURL・記事IDを設定。

Step5 改葬に必要な書類を確認し、改葬許可を申請する

行政手続きの流れ

現在の墓地・納骨堂から別の墳墓や納骨堂へ遺骨を移す場合には、改葬の手続きが必要です。墓地、埋葬等に関する法律では、改葬を行うには市町村長の許可を受けることが定められています。

改葬許可の申請先は、これから遺骨を移す先の自治体ではなく、現在遺骨が埋葬・埋蔵・収蔵されている場所の市区町村です。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則では、改葬許可申請書に死亡者に関する情報、現在の埋葬・火葬の場所、改葬の理由、改葬の場所、申請者と墓地使用者等との関係などを記載するとされています。

また、現在の墓地・納骨堂の管理者が作成した、遺骨が埋葬・埋蔵・収蔵されている事実を証する書面などが必要とされています。申請者が墓地使用者等ではない場合には、その墓地使用者等の承諾書などが必要になる場合があります。

注意したいのは、全国どこでも「改葬許可申請書・埋蔵証明書・受入証明書の3点」が一律に必要とは限らないことです。

自治体によって申請書の様式、証明方法、追加書類、提出方法などが異なることがあります。改葬を予定している場合は、現在のお墓がある市区町村の公式案内を確認してください。

改葬許可証を受け取った後の取扱いについても、現在の墓地管理者や新しい供養先へあらかじめ確認しておくとスムーズです。

■【内部リンク挿入:3022】改葬許可申請の必要書類・申請方法を詳しく解説する記事へ誘導予定。3002では流れの説明にとどめ、詳細は3022で扱う。

Step6 必要に応じて供養を行い、遺骨を取り出す

改葬に必要な手続きや墓地側との調整が整ったら、現在のお墓から遺骨を取り出します。改葬する場合、遺骨を取り出す時期や必要な書類については、自治体と墓地管理者の案内に従ってください。

自治体によって具体的な案内は異なりますが、改葬許可証を取得した後、現在の墓地管理者へ提示して遺骨を取り出す流れが案内されている例があります。工事日程を先に確定しすぎず、行政手続きの進み具合も確認しながら調整するとよいでしょう。

また、墓石を撤去する前に「閉眼供養」「魂抜き」「お性根抜き」などと呼ばれる供養を行うことがあります。ただし、これらは改葬許可とは別の宗教・慣習上の事柄です。

全国共通の法律上の手続きとして閉眼供養が一律に義務付けられているわけではありません。寺院、宗派、墓地、家族の考え方などによって対応が異なるため、必要に応じて現在の寺院や墓地管理者へ相談しましょう。

行政上の改葬手続きと、宗教・慣習上の供養を分けて考えると、何をどこへ確認すればよいのか整理しやすくなります。

Step7 墓石を撤去・整地し、墓地を返還する

墓地管理者へ返還

遺骨を取り出した後は、墓地管理者との打ち合わせ内容に従って墓石を撤去し、必要な状態まで区画を整地して墓地を返還します。実際の工事は石材店などが行うのが一般的です。

どこまで撤去する必要があるか、整地後にどのような状態で返還するかは、墓地によって異なる可能性があります。墓石だけではなく、外柵や基礎部分などの撤去について条件が定められていることも考えられるため、工事前に確認しておきましょう。

また、墓地の返還には管理者所定の届出や使用許可証の返却などが必要になる場合があります。「墓石を撤去すれば自動的に墓地の契約が終了する」と考えず、返還の手続きまで確認することが大切です。

工事終了後は、墓地管理者への報告や現地確認が必要かどうかについても確認しておくと安心です。

Step8 新しい供養先へ遺骨を納める

現在のお墓から遺骨を取り出して墓地を返還したら、決めておいた新しい供養先へ遺骨を納めます。別の墓地や納骨堂へ改葬する場合は、新しい墓地等の管理者へ改葬許可証を提出して納骨する流れになります。

墓地、埋葬等に関する法律では、墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証などを受理した後でなければ焼骨の埋蔵・収蔵をさせてはならないとされています。

新しい供養先では、改葬許可証以外にも使用許可証や施設独自の届出書などを求められる場合があります。納骨する日を決める前に、必要なものを新しい墓地や納骨堂の管理者へ確認しておきましょう。

なお、散骨や手元供養などを選択した場合は、このStep8の進め方が墓地・納骨堂への改葬とは異なります。選んだ供養方法に応じた確認を行ってください。

ここまで終えて、現在のお墓の整理だけでなく、遺骨の新しい供養までつながった状態が墓じまいの一区切りです。

墓じまいの順番は状況によって前後することがある

ここまで8ステップで説明しましたが、実際の墓じまいで「必ずStep1からStep8まで一つずつこの順番で進めなければならない」という意味ではありません。

たとえば、家族で話し合いながら新しい供養先の候補を探したり、墓地管理者へ相談した後に供養先を比較しながら複数の石材店へ見積もりを依頼したりすることもあります。

一方で、順番を意識したほうがよい部分もあります。改葬許可申請では改葬先に関する情報が必要になるため、新しい供養先を決めずに行政手続きだけを先へ進めようとすると、途中で確認が必要になることがあります。

また、墓地の工事ルールを確認せずに石材店と契約したり、改葬手続きを確認しないまま遺骨の取出し日を決めたりすると、予定を組み直すことになる可能性があります。

迷ったときは、「家族で方針を共有する」「現在の墓地管理者へ確認する」「遺骨の行き先を決める」という3点を先に意識すると、全体を整理しやすくなります。

墓じまいの流れでよくある質問

墓じまいの流れを確認すると、「最初の相談先はどこか」「改葬先はいつ決めるのか」など、具体的な順番について疑問が出てきます。ここでは、特に迷いやすいポイントを整理します。

墓じまいは最初に誰へ相談すればよいですか?

まず家族や関係する親族と方針を共有し、その後、現在の墓地管理者へ相談する流れが分かりやすいでしょう。寺院墓地なら寺院、公営・民営霊園なら管理事務所など、実際の管理者を確認してください。

ただし、家族構成や墓地の状況によって進め方は変わるため、相談を完全に一つずつ終わらせる必要はありません。

役所への改葬許可申請から始めてもよいですか?

別の墓地・納骨堂へ改葬する場合、申請書には改葬の場所を記載します。そのため、一般的には新しい供養先を決め、必要な情報や書類を確認してから改葬許可申請へ進むほうが分かりやすいでしょう。

具体的な申請方法や必要書類は自治体によって異なる場合があるため、現在遺骨がある場所の市区町村へ確認してください。

石材店にはいつ相談すればよいですか?

現在の墓地管理者へ墓石工事のルールを確認した後に相談すると、見積もり条件を整理しやすくなります。墓地によって工事条件や石材店に関する決まりが異なる可能性があるためです。

ただし、供養先探しや行政手続きと並行して見積もりを取ることもできます。契約や工事日の確定は、全体の予定を確認しながら進めましょう。

墓じまいにはどのくらいの期間がかかりますか?

墓じまいに必要な期間は一律ではありません。家族との話し合い、新しい供養先探し、自治体の改葬手続き、石材店との日程調整、寺院や墓地管理者との確認などによって変わります。

短期間で終わらせることを優先するより、家族・墓地管理者・自治体・新しい供養先それぞれへの確認を行い、無理のない日程で進めることが大切です。

まとめ|墓じまいは全体の流れを確認して一つずつ進めよう

墓じまいは、墓石を撤去するだけの作業ではありません。家族との話し合いから始まり、現在の墓地管理者への相談、遺骨の新しい供養先、改葬手続き、墓石撤去、墓地返還、新しい場所への納骨までがつながっています。

一般的な流れをもう一度整理すると、次の8ステップです。

  1. 家族・親族と墓じまいについて話し合う
  2. 現在の墓地管理者へ相談する
  3. 遺骨の新しい行き先・供養方法を決める
  4. 墓石撤去の方法を確認し、見積もりを取る
  5. 改葬に必要な書類を確認し、改葬許可を申請する
  6. 必要に応じて供養を行い、遺骨を取り出す
  7. 墓石を撤去・整地し、墓地を返還する
  8. 新しい供養先へ遺骨を納める

実際には墓地の種類や自治体、新しい供養方法などによって工程が前後することがあります。すべてを一度に決めようとせず、まず現在のお墓の状況を確認し、家族と話し合い、墓地管理者へ相談するところから始めてみてください。

次に詳しく調べる必要がある内容が出てきたら、「費用」「改葬手続き」「新しい供養先」「見積もり・業者選び」へ進むと、自分に必要な情報を整理しやすくなります。

-墓じまいの基礎・進め方