墓じまいの費用

墓じまい費用はいくら?内訳と金額が変わるポイントをわかりやすく解説

墓じまい費用

墓じまい費用はいくら?内訳と金額が変わるポイントをわかりやすく解説

墓じまいを具体的に考え始めると、まず気になるのが「全部でいくらかかるのか」という費用ではないでしょうか。

インターネットで調べると数十万円から数百万円までさまざまな金額が出てきますが、これは単純に「正しい相場」と「間違った相場」があるからではありません。墓石の撤去だけを示している場合、新しい供養先まで含めている場合など、何を費用に含めるかがそろっていないことも大きな理由です。

墓じまい費用を考えるときは、「全国相場はいくらか」だけを見るのではなく、何にお金がかかり、自分のお墓ではどの項目が必要になるのかを整理することが重要です。

この記事では、墓じまいにかかるお金を5つに分け、金額が変わる条件、行政手続きや寺院に関する費用、補助制度、見積もり前に確認しておきたい情報まで整理します。

墓じまいそのものの意味から確認したい方は、先に以下の記事をご覧ください。

墓じまい費用はいくら?まず知っておきたいこと

墓じまいには、全国どこでも同じ「一式料金」が設定されているわけではありません。現在のお墓を撤去する条件、遺骨の数、墓地のルール、新しい供養先などによって必要な作業が変わるためです。

そのため「墓じまいは○万円が相場」と一つの数字だけで考えると、自分の場合に必要な費用と大きくずれる可能性があります。

参考になる実測データとして、株式会社鎌倉新書が2026年に実施した「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査」があります。2024年10月から2025年9月に「いいお墓」を経由して資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討または実施した733人を対象とした調査です。

この調査で、改葬・墓じまいを実施済みまたは実施中の回答者について実施費用を尋ねたところ、「31万円~70万円」が31.3%で最も多く、「30万円以下」の16.8%と合わせると約48%でした。一方で「151万円以上」とした回答も14.0%あります。

ただし、この結果を「日本全国の平均費用」や「全国相場は31万円~70万円」と読み替えるのは適切ではありません。特定のサービスを利用して資料請求や霊園見学をした人を対象とする一つの調査だからです。

ここから分かるのは、一つの金額に収束しているわけではなく、実際の費用に幅があるということです。まずは総額を見る前に、何に費用が発生するのかを分けて考えてみましょう。

墓じまい費用は5つに分けて考える

墓じまい費用

墓じまいの費用を整理すると、大きく5つに分けられます。すべての人にすべての費用が同じ形で発生するわけではありませんが、この5分類で確認すると「何を見積もればよいのか」が分かりやすくなります。

墓石の撤去・墓地返還にかかる費用

現在のお墓を墓地管理者へ返還するためには、墓石や外柵などを撤去し、墓地が定める状態まで戻す工事が必要になることがあります。

主な作業としては、墓石の解体、石材の搬出・処分、外柵の撤去、必要に応じた基礎部分の撤去、整地などがあります。ただし、どこまで撤去する必要があるかは墓地ごとの返還条件によって異なります。

墓石撤去費は、墓所の面積だけで決まるものではありません。石材の量、基礎の状態、墓所までの搬出経路、階段や坂の有無、車両や重機を使用できるかなどによって作業内容が変わります。

石材店などが1平方メートル当たりの料金目安を掲載している例もありますが、それは各事業者の料金設定です。「全国一律で1平方メートル○万円」と考えないようにしましょう。

遺骨の取り出し・運搬などにかかる費用

墓じまいでは、墓石を撤去する前に、納骨されている遺骨を取り出す必要があります。取り出した遺骨を新しい墓地や納骨堂などへ移す場合は、移動方法についても考える必要があります。

遺骨の取り出しが墓石撤去工事の料金に含まれている場合もあれば、別料金として設定されている場合もあります。また、遺骨の数によって料金体系が変わるサービスもあります。

そのため「遺骨の取り出しはいくら」と独立した全国共通料金で考えるより、見積書の中で取り出し作業が含まれているかを確認することが大切です。

遺骨の状態や新しい供養方法によっては、移送方法などについて別途確認が必要になることもあります。必要な対応を決めてから見積もると、後から想定外の項目が増えるのを防ぎやすくなります。

改葬など行政・墓地管理者の手続きにかかる費用

現在のお墓から遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す「改葬」には、市町村長の許可が必要です。墓地、埋葬等に関する法律では、改葬の許可は遺骨が現在ある場所の市町村長が行うと定められています。

手続きでは、現在の墓地管理者による埋蔵・収蔵の証明が必要になる場合があります。また、郵送で手続きを行う場合の郵送料や、手続きを専門家・サービス事業者などへ依頼する場合の代行費用が生じることもあります。

一方で、改葬許可そのものの手数料が無料の自治体もあります。たとえば横浜市は改葬許可証の手数料を無料としており、さいたま市も改葬許可申請について手数料はかからないと案内しています。

ただし、これは横浜市・さいたま市の例です。さらに横浜市も、現在の墓地管理者から受ける埋蔵証明については手数料が必要な場合があると案内しています。行政手続きに関する料金や必要書類は、現在遺骨がある自治体と墓地管理者へ確認してください。

■【内部リンク】3022相当「改葬手続き」の記事を公開後、この位置へブログカードを配置

寺院・供養に関する費用が生じる場合

寺院墓地を利用している場合や、宗教上の儀式を行う場合には、お布施などの費用が生じることがあります。

たとえば墓石を撤去する際に閉眼供養などを行うケースがありますが、これは改葬許可とは別の宗教・慣習上の対応です。「閉眼供養をしなければ行政上の墓じまいができない」というものではありません。

また、寺院の檀家を離れる際に、いわゆる「離檀料」について話し合うことがあります。ただし、すべての墓じまいで離檀料が発生するわけではありません。

国民生活センターは、離檀料について寺へのお礼として支払うお布施の意味を持つもので、料金に明確な基準はなく、基本的には当事者間で話し合うものと案内しています。

したがって、インターネット上にある金額だけを使って「離檀料の全国相場は○万円」と決めつけるのは避けたほうがよいでしょう。

墓じまい後の新しい供養先にかかる費用

墓じまいの総額を考えるうえで見落としやすいのが、取り出した遺骨をどこへ納めるかという費用です。

一般墓へ改葬する方法のほか、永代供養墓、合葬・合祀墓、納骨堂、樹木葬など、現在はさまざまな供養方法があります。それぞれ料金体系や管理方法が異なるため、どの供養先を選ぶかによって墓じまい全体の支出も大きく変わります。

たとえば2026年度の東京都立霊園でも、一般埋蔵施設、合葬埋蔵施設、樹林型合葬埋蔵施設など、施設の種類ごとに異なる使用料が設定されています。これは東京都立霊園の料金例であり、全国相場ではありませんが、供養方法によって必要な費用が異なることを理解する具体例になります。

墓じまいの予算を考えるときは、「古い墓をなくす費用」だけではなく「遺骨を今後どこで供養するか」まで含めた総額で考えることが重要です。

■【内部リンク】3046相当「墓じまい後の供養方法」の記事を公開後、この位置へブログカードを配置

墓じまい費用が変わる主なポイント

墓じまい費用が変わる条件

同じ「墓じまい」でも費用が大きく異なる理由は、現場ごとに必要な工事や手続き、供養方法が違うからです。

特に墓石撤去では、墓所が広くなれば撤去対象となる石材や構造物が増える可能性があります。ただし、広さだけでなく墓石の大きさ、外柵、基礎などの量も関係します。

さらに重要なのが墓地の立地です。墓所の近くまでトラックが入れる場所と、狭い参道や長い階段を人力で運搬しなければならない場所では、同じ大きさのお墓でも作業条件が異なります。クレーンや小型重機が使えるかどうかも確認ポイントです。

墓地管理者が定める原状回復の範囲も費用に影響します。墓石だけを撤去すればよいとは限らず、外柵や基礎まで撤去して更地に戻すことを求められる場合もあります。

そのほか、指定石材店の有無、遺骨の数や取り扱い方法、寺院との関係、新しい供養先なども総額を変える要因になります。

つまり「○平方メートルだから○万円」と面積だけで予算を決めるのではなく、現地条件と墓地のルールを確認してから見積もる必要があります。

墓石撤去の費用が変わる理由

墓石撤去条件の比較図

墓石撤去費は墓じまい費用の中でも金額差が出やすい項目です。その理由は、石材を壊す作業だけでなく「どうやって現場から搬出するか」まで工事内容に含まれるからです。

たとえば、墓所のすぐ近くまで車両が入れ、クレーンなどを利用できる現場と、山の斜面や階段の上に墓所があり、石材を小分けにして人力で運ばなければならない現場では、必要な人員や作業時間が変わります。

古い墓所では、地上から見える墓石以外に基礎やコンクリートが施工されていることもあります。墓地側からどこまで撤去するよう求められるかによっても作業量は変わります。

また、墓地によっては工事を行える石材店についてルールを設けていることがあります。業者へ見積もりを依頼する前に、まず墓地管理者へ工事ルールや指定石材店の有無を確認しておくと、見積もりのやり直しを防ぎやすくなります。

離檀料・お布施は必ず必要?

離檀料・お布施は必ず必要?

墓じまい費用を調べると、「閉眼供養のお布施」「離檀料」といった言葉もよく出てきます。しかし、これらと行政上の改葬手続きは分けて考える必要があります。

墓地、埋葬等に関する法律で必要とされているのは、遺骨を別の墓地や納骨堂へ改葬するときに市町村長の許可を受けることです。閉眼供養そのものが行政上の改葬許可の条件として法律に定められているわけではありません。

一方、墓地が寺院にあり、これまで檀家として関係を続けてきた場合には、墓じまいに際して寺院と相談することがあります。寺院ごとの考え方や慣習、これまでの関係によって対応は異なります。

国民生活センターは、離檀料について明確な料金基準はなく、基本的には当事者間で話し合うものとしています。また、東京都消費生活総合センターも、お布施には明確な基準や支払い義務はないと案内しています。

そのため「離檀料は必ず○万円払うもの」と一律に考える必要はありません。ただし、金額だけを先に問題にするのではなく、墓じまいを考えている事情を寺院へ早めに伝え、必要な対応について確認することが大切です。

高額な金額を示され、理由や内容が分からず話し合いが難しい場合には、自治体の消費生活センターなどへ相談する選択肢もあります。

改葬許可など行政手続きにはいくらかかる?

行政手続きについては、「墓じまいだから必ず高額な手数料がかかる」というものではありません。

墓地、埋葬等に関する法律では、改葬する場合、市町村長の許可を受けなければならないと定めています。申請先は、これから移る先の自治体ではなく、現在遺骨がある場所の市区町村です。

前述のとおり、横浜市では改葬許可証の手数料を無料としており、さいたま市でも改葬許可申請に手数料はかかりません。

ただし、ここから「全国の改葬許可はすべて無料」と判断することはできません。自治体ごとの案内を確認する必要があります。また、墓地管理者から埋蔵・収蔵の証明を受ける際の手数料、郵送費、書類取得費などが生じる場合もあります。

さらに、自分で申請せず手続きの支援や代行を依頼する場合には、そのサービス料金を行政手数料とは分けて考えましょう。

墓じまい費用を抑えるために確認したいこと

墓じまい費用を抑えたい場合も、単純に「一番安い業者」を探すことから始めるのではなく、まず余計な手戻りや認識違いを減らすことが重要です。

最初に現在の墓地管理者へ連絡し、墓所を返還するときの条件、工事範囲、指定石材店の有無を確認しましょう。指定業者が決められている墓地で、先に別の業者へ見積もりを依頼しても、その見積もりを利用できない可能性があります。

自由に石材店や業者を選べる場合は、同じ条件で見積もりを確認すると比較しやすくなります。その際は総額だけでなく、墓石・外柵・基礎の撤去、遺骨の取り出し、運搬、整地など「どこまでが料金に含まれているか」を確認することが大切です。

また、墓石撤去の金額だけが安くても、新しい供養先の費用を合わせると総額が大きくなることがあります。現在のお墓をなくす費用と、その後の供養に必要な費用を一緒に考えましょう。

行政手続きを自分で進められる場合は、自分で行う部分と、専門家やサービスに依頼する部分を分ける方法もあります。ただし、手間や時間とのバランスもあるため「自分でやれば必ず得」と考える必要はありません。

費用を抑えるポイントは、必要な作業を削ることではなく、自分のお墓に本当に必要な項目を整理し、同じ条件で金額を確認することです。

■【内部リンク】3015相当「墓じまいの見積もり」の記事を公開後、この位置へブログカードを配置

■【内部リンク】3048相当「墓じまい業者の選び方」の記事を公開後、この位置へブログカードを配置

墓じまいで利用できる補助・支援制度はある?

墓じまいについて、全国の人が共通して利用できる一律の補助制度があるわけではありません。一方で、一部の自治体や公営墓地では、墓所返還を促す目的などから独自の支援制度を設けている例があります。

たとえば千葉県浦安市の「墓所返還者等支援事業」では、対象となる市の墓地公園の墓所を返還する使用者について、返還区画の原状回復に要した墓石撤去費などに対し、上限15万円の助成制度を設けています。

また、市川市霊園の「一般墓地返還促進事業」には、対象となる一般墓地を返還する際の原状回復費用について助成する制度があります。助成限度額は墓地の種類や面積によって異なります。

市川市の制度は2026年5月に予算額へ達したためいったん受付終了となりましたが、同年9月16日の公式情報では、補正予算の承認を受けて受付再開と案内されています。このように、制度が存在していても予算や受付時期によって利用状況が変わる場合があります。

したがって「墓じまいなら補助金がもらえる」と考えるのではなく、現在のお墓がある自治体や公営墓地に対象制度がないかを確認してください。申請時期、対象者、対象工事、事前申請の必要性などもあわせて確認することが重要です。

見積もり前に整理しておきたい情報

墓じまいの見積もり前チェックリスト

見積もりを取る前に現在のお墓の状況をある程度整理しておくと、業者へ条件を伝えやすくなります。分からない項目があっても問題ありませんが、確認できる範囲で準備しておきましょう。

  • 現在のお墓がある墓地・霊園・寺院の名称と所在地
  • 墓所のおおよその広さ
  • 墓石、外柵、墓誌など撤去対象となりそうなもの
  • 階段、坂、狭い参道など搬出経路の状況
  • 墓所付近まで車両が入れるか
  • 墓地の原状回復条件
  • 指定石材店や工事業者に関するルール
  • 納骨されている遺骨のおおよその数
  • 遺骨をどこへ移す予定か
  • 寺院墓地の場合は寺院との今後の関係

特に重要なのは、墓地管理者へ返還条件を確認することと、新しい供養先をどうするかを考えておくことです。この2点が決まっていないと、墓石撤去だけの金額が分かっても墓じまい全体の予算を把握しにくくなります。

写真を送って概算を確認できるサービスなどもありますが、最終的な料金の決まり方や現地確認の有無は事業者によって異なります。正確な条件は実際の見積もりで確認してください。

墓じまい費用についてよくある質問

ここでは、墓じまい費用を調べている方が疑問に感じやすいポイントを簡潔に整理します。

墓じまい費用は結局いくら用意すればよいですか?

墓所の条件や新しい供養先によって大きく変わるため、全国共通の金額を一つ示すことはできません。

まず「墓石撤去・墓地返還」「遺骨」「行政・墓地手続き」「寺院・供養」「新しい供養先」に分けて、自分の場合に必要な項目を確認してください。正確な金額は墓地の条件を確認したうえで見積もる必要があります。

墓石撤去だけなら相場はいくらですか?

墓石撤去についても全国一律の料金はありません。墓所面積だけでなく、石材量、外柵・基礎の撤去範囲、階段や坂、搬出路、車両や重機を使用できるか、墓地の返還条件などによって変わります。

事業者が公開している平方メートル単価などを見る場合も、その事業者の料金例として確認し、自分の墓所の条件で見積もることが重要です。

墓じまい費用は誰が払うものですか?

実際の負担方法は家庭ごとに異なります。墓地使用者や祭祀を主に担っている人が負担するケースもあれば、家族や親族で話し合って分担する場合もあります。

費用負担を決める前に、墓じまいをする理由、新しい供養先、必要な総額を家族・親族と共有しておくと話し合いやすくなります。

墓じまい費用を払えない場合はどうすればよいですか?

すぐに工事契約を進めるのではなく、まず必要な費用の内訳を整理しましょう。墓地の返還期限などがある場合は墓地管理者へ相談し、利用できる支援制度がないか自治体や公営墓地の公式情報も確認します。

供養先についても複数の方法がありますが、費用だけで決めず、遺骨をどのように供養したいか、今後誰が管理するかまで考えて選ぶことが大切です。

墓じまいには補助金がありますか?

全国共通の墓じまい補助制度があるわけではありません。一部の自治体や公営墓地が墓石撤去・原状回復などについて独自の支援制度を設けている例があります。

対象となる墓地、申請者、工事内容、予算、受付期間などの条件があるため、「墓じまい 補助金」という一般情報だけで判断せず、現在のお墓がある自治体・墓地の公式情報を確認してください。

まとめ|正確な費用は自分の条件で見積もりを確認しよう

墓じまい費用は、一つの全国相場だけで判断するのが難しい費用です。現在のお墓を撤去するだけでなく、遺骨の取り出しや改葬手続き、寺院との対応、新しい供養先など、複数の費用が関係する可能性があります。

特に墓石撤去費は、墓所面積だけではなく、墓石や基礎の量、階段・坂・搬出路、重機の使用可否、墓地管理者が求める原状回復条件などによって変わります。

まず墓地管理者へ返還条件と工事ルールを確認し、次に遺骨をどこへ移すかを整理してください。そのうえで必要な作業を同じ条件で見積もると、「何にいくら必要なのか」が分かりやすくなります。

墓じまい費用で最も大切なのは、ネット上の「相場」に自分のお墓を当てはめることではなく、自分の墓所・遺骨・供養先という具体的な条件で総額を確認することです。

墓じまいを進める順番そのものを確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

具体的な見積書の確認方法や比較するときのポイントについては、見積もり記事で詳しく解説します。

■【内部リンク】3015相当「墓じまいの見積もり」の記事を公開後、この位置へブログカードを配置

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